Japanese
English
手術手技
回腸導管造設術—尿管回腸開放吻合法
Heal Conduit as a Urinary Diversion after Total Cystectomy: Uretero-Heal Open Anastomosis
竹内 弘幸
1
Hiroyuki Takeuchi
1
1東京医科歯科大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, School of Medicine Tokyo Medical & Dental University
pp.573-578
発行日 1984年7月20日
Published Date 1984/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203838
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
膀胱全摘除術に伴う尿路変向法として,回腸導管法は術後の尿流管理が容易なことから,もつとも繁用される術式の一つとなつている。しかし,術技が比較的複雑で高度な技術を要求され,誰にでも安全かつ確実に実施できる手術とは言い難い。また術後の合併症が多いことも否めない。手術成績を左右する操作の一つに尿管と腸管の吻合法がある。これが正確に行われないと同部からの尿漏,あるいは同部の狭窄がおこる。両合併症は,しばしば裏腹の関係にあり,一方を避けようとすれば他方がおこりやすくなる。したがつて,熟達した術者はこの点にとくに注意深い配慮を行つているはずであるが,これを初心者に伝えるのは容易でない。この手技の難しさは,同吻合を腸管外より漿膜面から行うことにあると考えられる。
すべての手術に共通して言えることであるが,手術は一定の水準に達した術者であれば誰にでも確実に実施できる術式でなくてはならない。この場合,手術に要する時間が多少延長しても止むを得ないであろう。こうした立場から,筆者は回腸導管法における尿管と腸管を安全かつ確実に行う手段として,回腸の内側から同吻合を行う方法を考案し,3年余試行し,きわめて良好な成績を得てきた。
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.