Japanese
English
綜説
日本人の尿路性器癌の疫学
Epidemiology of Cancer of the Urogenital Organs in Japan
大野 良之
1
,
青木 国雄
2
,
黒石 哲生
3
,
富永 祐民
3
Yoshiyuki Ohno
1
1名古屋市立大学医学部公衆衛生学教室
2名古屋大学医学部予防医学教室
3愛知県がんセンター疫学部
1Department of Public Health, Medical School, Nagoya City University
pp.555-569
発行日 1984年7月20日
Published Date 1984/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203837
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
わが国の人口動態統計によれば,1981年の悪性新生物死亡は男で全死亡の約24.8%,女で約21.1%である。同年の全悪性新生物死亡のうち,性器系癌死亡は男で約2.2%,女で約11.3%,泌尿器系癌死亡は各々約2.8%,約1.8%である。わが国では,子宮癌以外の性泌尿器系癌は低頻度であり,疫学的にあまり注目されてこなかつたようである。
本稿では,男性性器癌(前立腺癌,睾丸悪性腫瘍,陰茎癌,陰嚢癌)と泌尿器系癌(膀胱癌,腎盂癌,腎盂を除く腎癌)の発生や死亡状況,その疫学特性を明らかにし,発生要因について若干の疫学的考察を加えることとする。さらに各々の癌の第1次予防(発生防止)対策と第2次予防(早期発見と早期治療)対策の可能性についても言及する。
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.