増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集
尿検査
11.顕微鏡的血尿,尿潜血反応
三宅 一徳
1
1順天堂大学医学部・臨床病理学教室
pp.1648-1649
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222700
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●異常を示す疾患
顕微鏡的血尿は腎・尿路系疾患をはじめ多岐にわたる原因(表1)により引き起こされる症候である.その検出は尿沈渣鏡検による赤血球数の算定によるが,試験紙法による尿潜血反応も尿中赤血球の簡便な検出法として集検やベッドサイドでのスクリーニングに欠かせない検査となっている.
尿試験紙による潜血反応の原理は,試験紙中の過酸化物から,ヘモグロビンやミオグロビンのヘム部分が持つペルオキシダーゼ様作用により生じた酸素を指示薬の色調変化で検出することによる.通常,潜血反応の結果は尿沈渣鏡検による血尿の有無とよく相関するが,本法は非特異的な検出反応であり,血尿以外に血管内溶血によるヘモグロビン尿や,筋組織障害によるミオグロビン尿でも陽性化するので,沈渣鏡検による赤血球検出と組み合わせて,これらの病態の検出を行うことができる(表2).
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