手術手技
追加発言 1
小柳 知彦
1
Tomohiko Koyanagi
1
1北海道大学医学部泌尿器科学教室
pp.970-971
発行日 1983年11月20日
Published Date 1983/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203684
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1.索切除術(chordectomy)
索変形の成因の正確な理解がいわゆるchorde-ctomyに際し最も大切と考える。hypospadias,wcbbed penis,chordee without hypospadias,congenital short urethraなど索変形を特徴とする外陰奇形は多々あるが,その成因は各疾患間で異なるばかりでなく,同じ疾患でもその変形の程度により趣きを異にしているからである1)。従来より,尿道下裂の索変形は外尿道口より遠位の尿道が無形成(atresia)のため線維瘢痕化したためと一律に考えられてき,したがつて索切除術に際しては寺島論文にも見られるごとく外尿道口より遠位尿道を横切る切開にて"索"を切断し,外尿道口を十分近位側へ引き下げておくことが肝要とされ,これが通常二期的に行われる第1次手術の要点とされて来た2)。外尿道口が陰茎陰嚢部よりも近位に開口するいわゆる高度のproximalタイプの尿道下裂では上述の考え方で索変形を説明できるが,それ以外のdistalタイプでは索の成因が異なることは近年ようやく認められるようになつてきた。
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