交見室
淋菌性尿道炎について/膀胱瘻造設術による持続灌流式前立腺切除術について
岡崎 武二郎
1
,
高田 格郎
2
1都立台東病院泌尿器科
2国療神奈川病院泌尿器科
pp.286
発行日 1983年3月20日
Published Date 1983/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203546
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本誌第36巻12号に掲載された秋元先生らの「旭中央病院における最近5年間の男子尿道炎の臨床的観察」を興味深く読ませていただきました。私たちも男子淋菌性尿道炎の基礎的,臨床的検討を続けておりますが,二,三感じたことを述べたいと思います。
先生方の御指摘どおり,わが国では尿道炎に関する統計的報告が少なく,尿道炎の現状を把握するのは困難と言わざるを得ません。その理由として,淋菌性を含めた尿道炎は従来より多くの抗生剤によく反応し治療が比較的容易であつたこと,また,淋菌は一般尿路感染症の起炎菌に比較し分離同定が困難であることなどがあげられると思います。当院では,淋菌性尿道炎の診断に際し,尿道分泌物の培養のみならず前尿沈渣物の淋菌培養も行つておりますが,分泌物がごく少量で培養できない場合でも前尿培養にて淋菌が分離同定される場合がしばしばあります。また,治癒判定でも分泌物の消失した症例に対して前尿培養を行うと,淋菌が消失したか否か判断できますので,淋菌性尿道炎の治癒判定に前尿培養を施行しております。
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