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講座
泌尿器科系疾患の微細構造の見方(9)—睾丸腫瘍
The Appliance of Electron Microscopy in Diseases of the Urogenital Tract (9):Testicular tumors
藍沢 茂雄
1
,
鈴木 正章
1
,
井村 有希
1
Shigeo Aizawa
1
,
Masafumi Suzuki
1
,
Yuki Imura
1
1東京慈恵会医科大学病理学教室
1Department of Pathology, The Jikei University School of Medicine
pp.829-836
発行日 1982年9月20日
Published Date 1982/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203421
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はじめに
睾丸腫瘍の組織分類は,現在ではWHOの国際分類1)が本邦でも主流を占めつつあると思われる。その詳細については昨年の本誌綜説「睾丸腫瘍の組織分類」2)で述べたので省略するが,組織発生が分類の基本となつている。腫瘍の本態を知る上で,発生母組織との形態的類似性を探ることが大切なことはいうまでもないが,この点で超微形態的に腫瘍細胞を検討することが有力な手がかりを与える。更に忘れてならないもう一つの電顕的検索の持つ利点は,腫瘍の形態学的診断に寄与することができることである。未熟低分化腫瘍では上皮性あるいは間葉系かを区別することすら困難な場合,微細構造から腫瘍の特徴をつかみ,診断を確立することも可能である。
ここでは,睾丸およびその付属器に発生する代表的ないくつかの腫瘍について図説すると共に,上記2つの大きな利点について付記することにする。
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