Urological Letter
バルーンカテーテルが収縮しないとき/陰茎プロテーゼの埋め込みに対する一つの見方
pp.633,688
発行日 1982年7月20日
Published Date 1982/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203386
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泌尿器科の診療上,時には誰でもバルーンカテーテルのバルーンを収縮できないことを経験している。こういう例は普通の患者よりも家庭にいて訪問看護婦によつてケアされている患者やカテーテルを長く使つている高齢者の場合に多い。この問題を解く様々な手技は今までに記述されてきた。バルーンが破れるまで膨らますのはあまりにも痛い。エーテルを入れることには副作用の心配がある。カテーテルの中にスタイレットを入れて破ることには危険が伴う。
バルーンが破れないでカテーテルがそのまま抜けることが偶然に起こることがあるが,このことはバルーンを収縮できない時にこの方法でも抜き得るという事実の無言の証拠である。だからと言つてこの方法を推賞するのではない。筆者は15年前にあるジャーナルクラブレターに一つの簡単な方法を紹介した。すなわち脊椎麻酔用の22ゲージ針のような細い針を直腸内から刺してバルーンを破る方法である。それにはカテーテルを引つぱつてバルーンが膀胱三角部に位置するようにしてから実施する。少しの痛みはあるが,感染や出血の経験はない。問題になるのはバルーンのゴムの破片が膀胱内に残ることがあることである。したがつてカテーテルを抜去したときバルーンに欠損部がないことを精しく調べなければならない。もしも少しでも欠損部があれば後日膀胱鏡で検査しなければならない。
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