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はじめに
現在,自己血管使用皮下動静脈瘻(arteriovenous fistula:AVF)狭窄に対してはインターベンション治療(vascular access intervention therapy:VAIVT)が第一選択であるが,狭窄の再発する頻度は高く,反復してVAIVTを実施する症例も散見される1)。2021年2月よりバスキュラーアクセス(vascular access:VA)領域において,再狭窄防止を目的とした薬剤コーティングバルーン(drug-coated balloon:DCB)がAVF狭窄の治療に保険適用となった。対象病変は病変長が100mm以下のAVF再狭窄であり,施設要件としては,合併症が生じた際に再建などの対応が自施設で可能であること,もしくは対応可能な施設と連携していること,X線透視装置を備えていること,VAIVTを施行している施設であることが挙げられている。また術者要件としては,日本心血管インターベンション治療学会認定医,日本インターベンショナルラジオロジー(IVR)学会専門医,日本血管外科学会認定血管内治療医,日本透析医学会VA血管内治療認定医,日本透析アクセス医学会VA血管内治療認定医もしくは透析バスキュラーアクセスインターベンション治療医学会VAIVT血管内治療医で,企業の行う教育コースを受講していることが挙げられている。このように,実施要件・術者要件ともに厳しく設定されているのが現状である。DCBはバルーンに塗布された薬剤 パクリタキセル(抗悪性腫瘍薬)を,バルーン拡張により血管壁に送達させ,内膜増殖を抑制することで再狭窄を抑制し,再治療の頻度を低減することが期待されている。
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