文献抄録
膀胱扁平上皮癌について
pp.14
発行日 1982年1月20日
Published Date 1982/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203272
- 有料閲覧
- 文献概要
膀胱扁平上皮癌は膀胱癌の3〜6.7%程度で比較的稀な疾患なので,膀胱移行上皮癌の治療にみられるような治療に関して統一的見解はなく,近年の積極的外科治療にかかわらず,その予後は悪い。
著者は1962年から1977年の間にStanford Medical Centerで859例の膀胱癌中46例(5%)のpure squamous cell carcinomaについて臨床的観察を行つて報告している。46症例は45歳から86歳までの患者で,男性26例,女性20例で性別比は移行上皮癌の1.3対1と異なつている。初発症状としては血尿26例で最も多いが,刺激膀胱症状を訴えた者も17例あつた。治療方法としてはTUR-Bt 9例,膀胱全摘と尿路変更3例,術前の体外放射線照射と膀胱全摘7例,放射線治療のみ16例,膀胱部分切除のみ9例,部分切除後放射線照射3例であつた。照射腫瘍線量としては手術の補助的照射は4,500〜6,000rad,照射治療のみの例では膀胱に5,000radと骨盤腔に2,000rad計7,000rad,7週とした。
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.