文献抄録
膀胱粘膜の扁平上皮化生について
pp.146
発行日 1975年2月20日
Published Date 1975/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201918
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膀胱粘膜の扁平上皮化生は,婦人の内視鏡検査で36%程度に発見されるが,著者らは過去13年間に450例の患者について検索して,この病変に対する考えを述べている。
扁平上皮化生は内視鏡では頸部から三角部にかけて不規則な形の白斑として見られ,その周囲の粘膜に顆粒状変化が随伴していることが多い。組織学的にはよく分化した成熟の重層扁平上皮で角化傾向は少ない。著者は450例中353例は生検組織で確認した。450例中88.2%の397名は婦人で,年齢は15歳より93歳で,半数以上は40歳以下であつた。ほとんどの婦人は反復する尿道炎,膀胱炎,膀胱下垂などの既往をもつている。男性に認められた症例は前立腺疾患を合併していた。全症例中11例は膀胱癌を合併していたが,その他はまつたく癌の発生はなかつた。尿所見は膿尿を呈した者8例,細菌培養陽性2名(16%)であつた。
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