交見室
In situ hypothermia下での腎結石手術について,他
増田 富士男
1
1慈恵医大泌尿器科
pp.910-911
発行日 1980年9月20日
Published Date 1980/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203025
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本誌34巻9号に掲載された秋元成太氏らによる腎手術の臨床的検討の第Ⅲ報「in situ hypothermia下での腎結石の手術」を興味深く拝読しました。秋元氏らの冷却法は原則的にわれわれと同じ方法であり,術中の腎の温度や術後のLDHの変動などもわれわれの成績と同様であることがわかりました。腎結石とくに多発性珊瑚状結石の手術で大切なことは,結石を残さないことですが,内外の文献をみますと,その残存率は10〜30%以上です。この点,秋元氏らの症例はいずれも残存結石がみられず,すぐれた手術成績といえます。その一因としては,腎の低温により,結石を完全にとり除くのに必要な阻血時間が十分に得られることが考えられ,この点からも秋元氏らの方法はすぐれているといえます。
さらに2〜3,論文を拝読し,われわれの経験も加えて感じていることをのべますと,われわれもicedsaline slushを使用していますが,生理食塩水よりもマルトースを用いた方が,より細かいslushをつくるのが容易のようです。
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