Japanese
English
綜説
後腹膜腔,尿路系の総合画像診断
Integrated Imaging in Retroperitoneal and Renal Disease
平敷 淳子
1
Atsuko Heshiki
1
1群馬大学医学部中央放射線部
1Gunma University Hospital, Diagnostic Radiology
pp.615-627
発行日 1980年7月20日
Published Date 1980/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202976
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Ⅰ.総合画像診断とは1,2)
画像を用いて診断を行なう医学の専門分野を画像医学とよんでいる。画像の描出方法にはX線を用いる腹部単純撮影,排泄性,逆行性や順行性尿路造影があり,最近では進歩した核医学検査法,超音波断層法やコンピュターX線断層法(CT)が新しく脚光を浴びて来た。総合画像診断とはこれらの画像方法を順序だてて組み合せ,できるだけ患者への侵襲を少なく,安く,短時間に,より正しい診断に到達する診断の体系化を言う。順序だてた画像方法の組み合せ方をflow chartあるいは決定樹木decision treeと呼ぶ。尿路系の病変に関する総合画像診断の体系化は早くからその領域に従事する者の間で興味が持たれ,かつコンセンサスの得られている部分も多い3)。しかし,機器の進歩,記録方法の改良やコンピューターの導入などにより決定樹木はいまだ不変的なものではなく,常に改善されていくべき性格のものである。施設の事情,機器の不均一性や診断医の興味や知識の不均一性も決定樹木を決める上での統一がとれない要因となつている。しかしながら,ここでは理想的な施設を想定し,むしろ理想的とも言える決定樹木をあげてみた。そのひな型を検討していくことはすなわち現在各々の診断医のおかれている状況がどの程度の危険をおかして診断を下しているのか,あるいはどの程度の確信度に基づいて診断を下しているのかの参考となりうると考える。
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