文献抄録
尿道狭窄症形成手術法の選択
pp.215
発行日 1980年3月20日
Published Date 1980/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202912
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最近は各種抗生物質の抬頭で,慢性尿道炎による狭窄症の発生は減少しているが,反面尿道は交通労働災害で損傷をうけることが多くなり,その処置はなお泌尿器科領域では重要な課題である。従来この治療には尿道拡張法が広く行なわれているが,Blandy(1976)の指摘したように,拡張療法は尿路感染をはじめとするいろいろな合併症が多いこと,また内尿道切開法による拡張は再発しやすく根治的治療法とはいえない。拡張を必要としない永久的治癒を得るためには外科的治療法が必要である。外科的治療法の選択は当然ながら各個の症例に応じて狭窄の部位・長短,尿道の合併症の有無が考慮されなければならない。従来尿道狭窄症の形成方法は多数報告されているが,基本的には次の4つの方法に分けることができる。
1) Johanson(1953)が発表したtwo stageの形成法で,一次手術として狭窄部尿道に縦切開を加えて健康皮膚縁に吻合する。ついで二次手術としてDennis Browne法により尿道を形成する。本法についてはGil-Vernet(1973)はじめ種々な変法が報告されている。
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