文献抄録
ペニシリン製剤による感染腎石症の治療
pp.136
発行日 1980年2月20日
Published Date 1980/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202899
- 有料閲覧
- 文献概要
燐酸マグネシウムアンモン(stru-vite)腎石と尿素分解菌感染の関連性は従来からよく知られている。そして尿素分解菌感染の腎石症では尿の無菌化は困難であると言われているが,著者らはstruvite腎石で,Proteus mirailis感染に対してペニシリン製剤が大変有効である経験について報告している。著者らは1974年12月から,1977年5月までの間に49例のstruvite腎石例を手術治療をしている。struviteの含有率は15〜98%とまちまちで,患者の性別は女性36名,男性13名であつた。49例の尿培養で37例にProteus陽性で,うち22例の菌はP.mirabilis単独で,他の10例はP.mirabilisと他の混合感染であり,5例ではP.rettgeri,P.morganiiが認められた。
P.mirabilis感染の20例に対してペニシリン(Pc.)500mgまたはアンピシリン(Amp.)250mgを毎6時間経口投与したところ,20名中16名が尿培養にて,培養陰性となつた。残りの4名は培養菌数は<104/mlとなつたが,完全には陰性化されなかつた。以上の経験から,著者らは腎石が存在していてもP.mira-bilisの感染ならば,Pc.またはAmp.が非常によく反応するとしている。
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.