発行日 1948年1月15日
Published Date 1948/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906278
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最近肺炎其他に「ペニシリン」が特效すると大分好評を博して此の藥品を手に入れるに大童であるらしい。從つて闇の流行時代であるから「ペニシリン」も御多聞に漏れず大いに闇に流れてゐるらしい。或る新聞記事によると「ペニシリン」を3000圓で買つたとか,そしてそのブローカーが檢擧されたとか,ペニシリンの噂は斯うして輪に輪をかけて擴大して行く。斯くの如く評判になつた「ペニシリン」とは,では一體どんな藥劑か、今日は之れに就いて二三述べて見度いと思ふ。
「ペニシリン」は1940年頃からアメリカで研究が開始せられて1943年メルク會社と稱する藥品會社より始めて藥品が提供され翌44年には大量生産に移つたのであつたが當時は未だ軍用及少量の研究用以外には,ほとんど要求を滿すには到らなかつたやうである。其後45年の春以來一般市民用にドウヤラ供され始めたのであつた。
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