講座
臨床統計入門(3)—ある血液成分の濃度(値)の2群の患者での比較
杉田 暉道
1
1横浜市立大学医学部公衆衛生学教室
pp.229-233
発行日 1978年3月20日
Published Date 1978/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202514
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2群の患者についてある血液成分の濃度(値)を比較する場合に常に忘れてならないことは,ここに得られた2群の資料のみの大小を知りたいだけではなく,この成績を通して,これと同条件のもつと大きな集団すなわち母集団のある血液成分の濃度(値)の大小を知りたいのが本来の目的であるという点である(これは本講座第1章,1においても強調した)。したがつて2群の資料が上記の目的を検討するにふさわしい条件を備えていることがまず重要な前提となる。ここでは用いる資料が必要な条件を満たしていると考えて先に進むことにする(資料が必要な条件を満たしているかどうかということは,得られた資料が母集団から無作為に得られていて,かたよりがないということがもつとも重要なポイントである)。
2群の患者についてある値を比較する方法としてよく用いられるのは,平均値による方法である。よつて本章では平均値による方法について述べる。
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