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緒言
新生児期,あるいは乳幼児期に下部尿路や尿管の高度の先天性通過障害(尿管逆流を含む)のため尿路の著しい拡張・変形と腎機能の低下を示し,しかも,通過障害に対する一次的治療が困難な場合,当然尿路変向術が適応となる。これは,本質的には一時的なものであるべきで,原疾患の治療後には変向した尿路を元の状態に戻してやることが理想である。尿路変向術式にはいろいろなものがあり,このうちloop cutaneous ureterostomyや,cutaneous pyelostomyなどのように始めから後日の尿路再建(Undiversion)を考慮した術式であれば原疾患除去後のUndiversionに際し格別の難しさはない。しかし,同じ尿路変向術式でもend cutaneous ureterostomyやileal loopなどでは尿路再建に伴う技術的困難さが多く実際には半永久的変向術といつても過言ではない。これらは尿感染のコントロール,腎機能の改善などの利点は別にしても尿を排尿という動作を介さずに体外へ導き出していること,およびそのための受尿器の装用など諸種の不便さがあり,患児自身はもちろん,その家族の生活にも自ずと各種の制限が加わることは明白である。このような永久的尿路変向術後の尿路を再建し受尿器装着の生活から解放してあげることは患者とその家族にとつてどれほど幸せなことか計り知れない。
A case of urinary reconstruction in a 9 year old girl. who underwent bilateral end cutaneous ureterostomy when she was 10 month old as a life saving procedure for massive bilateral and infected ureteral reflux associated with congenital hour glass bladder, was reported. Discussion was made on urinary undiversion, and ileocecalcystoplasty which was successfully employed to refunctionalize her damaged urinary tract.
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