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手術手技
膀胱全摘除術後の尿路変更—尿管S状腸吻合術
A Techniquc of Ureterosigmoidostomy Following Total Cystectomy
大井 好忠
1
Yoshitada Ohi
1
1鹿児島大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Kagoshima University School of Medicine
pp.681-685
発行日 1977年8月20日
Published Date 1977/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202403
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はじめに
尿路変更術は泌尿器科医にとり重要な課題の1つであり,過去何回も主題として取り上げられてきた。佐藤(1971)1)は第59回日泌総会の宿題報告において,尿路変更術の長短について要約し(第1表),尿路の再建が可能な限りは再建を試みるべきであるが,患者の術後の社会生活,日常活動を考慮すべきことを説いている。実際には膀胱全摘除術後の尿路変更術として,どの術式が最適であるかは個々の症例において判断されなければならないことになる。膀胱腫瘍の浸潤度,患者の全身状態,合併症,年齢,性別,社会復帰後の職業,患者の医療環境など多くの要因により術式が決定され,さらに術者の好みも加わることになる。
尿管S状腸吻合術は術後のhyperchloremic aci-dosisによる多彩な臨床症状,上行性感染,吻合部の狭窄または縫合不全,予後が悪いなどの理由から1950年代以降は本邦でも施行されることは少なくなつた。しかし,手技が比較的簡単であること,acidosisの管理は容易であること,"dry"な手術法であることから本術式が見直される機運が生じてきた2,3)。本法に対する考え方と手術手技を中心にのべる。
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