Urological Letter
逆行性上部尿路X線撮影に用いられた造影剤の副作用/膜様部尿道断裂の縫合術式
pp.1048,1052
発行日 1976年12月20日
Published Date 1976/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202272
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造影剤の質の改良に向つて幾多の純化精製がなされ,逆行性撮影でも静脈性撮影でも造影剤による副作用が減少してきているが,それでもなお,時には重篤な副作用を起こす人がいる。逆行性検査の際よりも静脈性の時の方がよりしばしば起こる。これから述べる例は逆行性検査で重篤な副作用を起こした特別な例である。こういう例は両側の著明な側腹痛を訴え,通常悪心や嘔吐および一時的乏尿を同時に起こすし,時には無尿になることもある。カテーテリゼーションで得られた小量の尿も通常は血性である。しかし膿球や細菌はない。
このような患者は,原則としては10%のマンニトール液の静注で保存的に治る。なおその際,膀胱に尿道カテーテルを留置しておき,痛みに対しては鎮痛剤を用いる。尿の排出状態を監視していることが最も大切で,もし乏尿が続くようならば,両側腎盂にまで尿管カテーテルを入れることが必要である。
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