文献抄録
腹部転移著明な絨毛上皮癌の長期生存例
pp.190
発行日 1975年3月20日
Published Date 1975/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201928
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悪性絨毛上皮癌は一般に予後が極めて不良である。著者は転移著明な上記疾患の治療後30ヵ月健康に生存している症例を報告している。
症例は22歳白人,6ヵ月来右睾丸の腫脹と両側女性化乳房,肝直下に大型のリンパ節転移と思われる腹部腫瘤を触れる。IVPで右側尿管の側方圧排像と腎盂腎杯の著明な拡張を認める。妊娠反応陽性。1971年12月に高位除睾術が施行された。組織像の主体は精上皮腫で一部に胎生癌,絨毛上皮癌の像が認められ,著者の病院へ転送された。転院後は腹部腫瘤は更に増大し疼痛も加わつてきた。胸部X線縁には転移所見はなかつたが,24時間尿のCGTは210,000国際単位と高い。
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