文献抄録
小腸疾患者のカルシウムとクエン酸排泄について
pp.633
発行日 1974年8月20日
Published Date 1974/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201842
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最近腸炎患者に尿石発生の頻度の高いことが指摘され,蓚酸結石発生の原因について論議されている。
小腸患者の過蓚酸尿発生の原因としてHoffmann(1970)は大腸菌の関与を重要視している。小腸疾患者にみられる過蓚酸尿と蓚酸結石発生の原因については現在不明と言わざるを得ないが,一般に尿から蓚酸カルシウム塩の析出をみる時には,蓚酸は過飽和状態にあることは当然であるが,蓚酸カルシウムの濃度のみならず,これの溶解に関与している他の尿中成分の異常によることも考えられる。この点について著者は10名の各種腸疾患患者について24時間尿の尿中カルシウム,クエン酸,蓚酸の排泄量,濃度を測定し,健康成人,特発性蓚酸結石者の尿と比較検討している。
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