文献抄録
Gallium 67 citrateによる睾丸腫瘍の移転早期診断
pp.1039
発行日 1973年12月20日
Published Date 1973/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201733
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睾丸悪性腫瘍の治療は該疾患のstagingの決定が大切で,特に転移の有無の決定が最も肝要である。著者はGallium 67 citrateによる睾丸腫瘍転移巣のスキャンニングを27例の患者について実施して,従来の血液尿の生化学的検査,胸部レ線,肝スキャン,後腹膜リンパ管撮影,後腹膜リンパ節清掃による所見と対比検討した。Gallium−67 citrate 3 mc静注後48時間して全身スキャンを行なつた。著者は4症例について全身スキャンの図説を以て示している。第1例は右側睾丸奇型癌の患者で,リンパ管造影では右旁大動脈節に転移陽性の所見があつたが,G—67スキャンは正常,またリンパ節清掃による36のリンパ節でも転移はなかつた。第2例は胎生癌の後腹膜転移がリンパ管造影で,また胸部レ線でも転移巣が証明されていたが,G−67スキャンでもこれらが明らかに示されている。
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