文献抄録
女性尿道粘膜の加齢的変化
pp.847
発行日 1973年10月20日
Published Date 1973/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201696
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女性で頻尿,排尿時痛に悩み尿道に不快感を訴える患者は比較的多く,著者のSouthmead Hospital(Bristol)では,2年間に尿道症状を主訴にした女性患者は719名であつた。この患者を生理的性年齢に分けると,思春期前22名,成熟期層405名,閉経期層292名である。女性の生理的年齢は種々な要因に左右されるが,多くは女性ホルモンの活性と比例する。性ホルモン低下は尿路粘膜に萎縮性変化を来し,殊に腟粘膜の萎縮が著明に現われることは衆知の通りである。
腟粘膜の老化性萎縮はしばしば尿道症状を伴つて現われることはEverett(1941)その他の人々により報告されている。この腟と尿道粘膜の臨床的相関は,両粘膜共に扁平上皮層であり,かつ発生学的にも泌尿生殖洞から形成されることからもうなづける。
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