Japanese
English
特集 加齢と肺
加齢と肺機能の変化
Effects of Aging on Pulmonary Function
長瀬 隆英
1
Takahide Nagase
1
1東京大学医学部附属病院老年病科
1Department of Geriatric Medicine, Faculty of Medicine, The University of Tokyo
pp.665-668
発行日 2002年7月15日
Published Date 2002/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902497
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はじめに
老化は,加齢による進行性の機能喪失とされており,多臓器にわたる生理的機能低下のため,高齢者においては恒常性維持能力(ホメオスターシス)が低下している.全身の臓器における生理機能は加齢とともに直線的に低下するが,なかでも呼吸器は,加齢・老化による影響を最も顕著に呈する臓器の一つである.その原因としては,次の点が挙げられる.
1)呼吸器は,出生直後より絶えず外気と接触し,有害物質に曝されるリスクが高い.
2)呼吸運動,すなわちオッシレーションという物理的負荷による機械的変化・変性が生ずる.
3)呼吸器を支配する中枢神経系が加齢の影響を受ける.
本稿では,加齢と肺機能の変化について,安静時,運動時,睡眠時に分けて概説し,今後の研究展望について述べる.
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