小さな工夫
膀胱局所麻酔用套管針
加藤 正和
1
,
鈴木 騏一
2
1仙台社会保険病院泌尿器科
2東北大学医学部泌尿器科学教室
pp.833
発行日 1973年10月20日
Published Date 1973/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201693
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膀胱部分切除を行なつた患者については,定期的に膀胱鏡検査を行なつて再発の早期発見,早期処置を行なうようにしている。したがつて,再発は極く小さな半米粒大から小豆大の時期に発見できるものが多い。このような場合にはただちに生検を行なうと同時に電気凝固術ないしはTURを施行する訳であるが,表面麻酔のみではもちろん不充分であり,腰椎麻酔によらなければならないことが多かつた。また従来から付図に示すような長針を用いて膀胱鏡的に局所麻酔を行なう試みがなされてはいたが,この欠点は膀胱内に針を挿入する際,膀胱鏡の金属部分に当りながら入つて行くために,針の切れ味が悪くなりやすいこと,Arbarranの起立桿に乗り難く,また,この場合は針先が視野に入らないために膀胱粘膜を傷つけることなどであつた。
そこでわれわれは,この長針にビニールチューブを被せて挿入し,視野に入つてから針先を出して目的の場所に刺入し,0.5%プロカインを注射するようにしたところ,起立桿上での安定性が良く,楽に注射ができて,電気凝固などの操作にもまつたく痛み無しで行なうことができるようになつた。
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