Urological Letter
大血管への放射線療法の影響,他
pp.745,780
発行日 1973年9月20日
Published Date 1973/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201675
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13歳の少年が高血圧で来院した。IVPを撮つてみたところ左腎は無機能で,右腎には代償性肥大があつた。検査の結果,尿にはなんの異常もなかつた。この患者は2歳の時に左尿管周囲の神経芽細胞腫の摘出術を受け,引きつづいて型通りの放射線治療を受けたことがある。腫瘍の再発の徴候はなかつたが,しかし主訴の高血圧の検査のため最近,経皮的に股動脈から大動脈撮影を行なつた。これをみると,左腎動脈は描出されず,右腎動脈の中枢側に狭窄があり,以前の照射のために二次的に起こつた腰椎や左腸骨櫛の骨の変化部に一致して腹部大動脈に著明な狭窄があつた。放射線医や血管外科医は共に照射によつて大動脈の発育が障害したのだと考えている。そこで高血圧には薬物療法を行なうことにした。もしも読者の中に同様の経験をお持ちの方がおられたら,お知らせ願えたらありがたい。
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