緊急寄稿
放射線の健康影響
鈴木 崇彦
1
1東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センター放射線分子医学部門
pp.406-409
発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103155
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2011年3月11日(金)14時46分に発生した東北地方太平洋沖地震とそれに伴う大津波は,死者・行方不明者2万7千人超(4月12日現在)に及ぶ東日本大震災を引き起こした.火災,液状化現象といった数々の被害が相次いだが,とりわけ東京電力福島第一原子力発電所の事故は全世界に衝撃をあたえた.事故発生からひと月が経過したが事態は鎮静化の兆しがなく,事故評価はチェルノブイリ原発事故に並ぶ最も深刻なレベル7に引き上げられ,予断を許さない状況が現在も続いている.周辺住民をはじめ,特に妊婦や乳幼児を抱えた人々の放射線被曝に対する不安は増す一方であり,国内のみならず周辺諸国までも警戒を強めている.このような状況下で,姿の見えない放射線に対していたずらに不安をいだくことなく適切に対応するために,まずはどんな知識をわきまえ,どんな点に注意しておかなければならないか? 医療従事者として,臨床検査技師も知っておくべき放射線の影響について,専門家の鈴木崇彦氏にまとめていただいた.(編集室)
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