Japanese
English
綜説
前立腺肉腫
Prostatic Sarcoma
金沢 稔
1
,
阿部 富弥
1
,
三軒 久義
1
Minoru Kanazawa
1
,
Tomiya Abe
1
,
Hisayoshi Sangen
1
1和歌山県立医科大学泌尿器科学教室
1Department of Urology, Wakayama Medical College
pp.535-549
発行日 1973年7月20日
Published Date 1973/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201636
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はじめに
近年,悪性腫瘍は増加の傾向にあるが,前立腺肉腫の報告は少なく,本邦では1年に数例の報告があるのみである。本症は1839年にLondonのStafford1)の5歳児についての報告が初めてのものであり,組織学的診断の行なわれた報告はIsambert(1853)2)によつてなされた。
その後,欧米ではBettoni(1923)3),Lowsley(1934)4),Stirling(1939)5),Melicow(1943)6)などが本疾患について多数の文献を引用し,症例をまとめて詳細に報告し,その数はSiegel (1963)7)によれば欧米文献上250例を超えるといわれ,その後の集計はないが,報告が相つぎ,現在300例をはるかにこえているものと思われる。本邦では1911年の茂木8)の血管肉腫が文献上最初の報告であり,生田(1939)9),岩崎(1950)10),黒田(1960)11),大越(1961)12),進藤(1968)13),井上(1970)14)らが詳しく本症について報告しているが,今回1972年末までの103報告例と自験例2例を含めた105症例を集計し得たのでこれを中心に考察し,本症に対するわれわれの見解を披瀝したい。
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