文献抄録
膀胱尿管逆流の臨床的観察
pp.228
発行日 1973年3月20日
Published Date 1973/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201579
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著者らは1955年より70年までに165例のVUR患者を経験し,その臨床的観察について述べている。男性21例,女性144例,年齢は2カ月より35歳まで平均3歳。これらの症例中には尿路奇型,神経性排尿障害あるいは尿管膀胱吻合をうけた症例は除外してある。いずれの症例についても尿路の一般的レ線検査,腎機能検査,血液生化学的検査を施行しその予後について観察した。
これらの内30例,42尿管の逆流については上部尿路のレ線的病変が認められかつ内視鏡的にも尿管口の変化が観察されたのでPolitano-Lead-better,Paquin法により尿管の再吻合術が施行された。残りの135症例,189尿管に逆流はあつたが,上部尿路のレ線的変化はほとんどなく,尿管拡張も極めて軽微で内視鏡的変化もなかつた。後者の135例については抗生剤のみ投与したもの38例,尿道拡張と抗生剤投与せるもの81例,膀胱頸部拡張と抗生剤投与16例でその経過を観察した。以上の結果135列53例(39%)は6カ月から2年以内に逆流は消失し尿路感染もなくなつた。
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