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近年化学療法の発展はめざましいものがあり,臨床各科領域の感染症の治療および予防上多大の貢献をもたらしていることは衆知の事実である。他方医学の急速な進歩により,菌側あるいは宿主側の諸要因が変化するにともなつて,感染症は大きな変貌をきたし1,2),抗生物質,ステロイドホルモンの多用などとあいまつて,菌交代症3),ことに従来弱毒菌あるいは非病原菌としてかえりみられなかつたグラム陰性桿菌(以下桿G (−)菌)による感染症の増加4,5),真菌感染症の誘発6)など,臨床各科領域で多くの新らしい問題点が提起されている。
尿路感染症は,泌尿器科はもとより,内科,産婦人科,外科,小児科など臨床各科にわたり日常ありふれた感染症で4,7〜10),細菌感染症のなかでも最も発生頻度の高い疾患の一つであり,また病院内感染のなかでも重要な位置をしめしている11)。しかも化学療法その他の治療法の進歩にもかかわらず,むしろ増加の傾向にあるとさえいわれている8)。かかる現状において,尿路感染症の起炎菌の様相およびその薬剤感受性を,臨床検査の立場から検討することは,本症の診断および治療上意義なしとしない。著者らは,昭和41年1月より45年12月までの5年間に本院中検で尿の細菌培養を行なつた結果を統計的に検討したので報告する。
The following results were obtained from the statistical studies done from the stand point of clinical examination, on strains isolated from urine presented from various departments during the 5 years between January 1, 1966 and December 1970, at the bacteriology department of the Central Laboratory, Yokohama City University Hospital.
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