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特集(増刊号の)4 泌尿器と関連領域の症候レントゲン診断
Ⅰ.尿路疾患のレ線検査法
放射性同位元素利用による診断法
Roentgenographic Examination of the Urinary Diseases (Diagnosis using by Radioisotope)
町田 豊平
1
Toyohei Machida
1
1慈恵医科大学泌尿器科学教室
1Department of Urology, School of Medicine, The Jikei University
pp.31-40
発行日 1971年12月25日
Published Date 1971/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201289
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はじめに
放射線診断のなかにRadioisotope (RIと略す)が導入され,臨床的に利用され始めたのはこの10数年のことであり,さらに一般臨床に広く普及したのはこの数年来である。腎,尿路のRI診断においても,それが教科書の一章に書き加えられたのはこの数年の間のことである。こうして従来の放射線診断—X線診断の領域にRI診断の分野が次第に拡大してきている。
RI検査法がX線診断より特にすぐれている点は,tracerとしてのRIの生体内動態を体外から計量的に追求できることである。腎(実質)機能を利用して腎の形態的検査も得られる。さらに検査が簡単で被検者の苦痛の少ないことは,関連領域の診療科においても安全で,積極的に利用でき,尿路疾患診断の糸口をみつけることができる。現在腎および尿路のRI診断として臨床的に応用されているのは約10種類があるが,今回はRe-nogramおよびScintigram(scanおよびγ-camera)についてのべる。
臨床的にRI腎検査用として用いられている物質は下の付表にまとめた。腎に特異性をもつ化合物に各種のRIを標識したものが多い。腎構造上の標識目標となるのは(1)尿細管細胞の分布と腎皮質(2)尿細管機能—細胞のRI摂取と排泄(3)腎血管床(4)糸球体ろ過(5)腎内病的組織,などである。下の表にあげたRI試薬はそれぞれ上にあげた検査目標に従つて採用される。
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