特集 皮膚泌尿器科領域の腫瘍
放射性同位元素による膀胱腫瘍の治療
川井 博
1
,
小川 英
1
,
中込 春重
1
,
小見山 茂人
1
1横浜市立医科大学泌尿器科
pp.963-968
発行日 1956年12月1日
Published Date 1956/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201831
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緒言
膀胱腫瘍殊に癌腫の根治療法は患者の一般状態と癌腫の悪性度,浸潤度,大きさ等を考え合せた上で外科的に手術を行うか,或は放射線療法によるか,各症例毎に各自の過去の治療経験に立脚してその治療法を決定し,最も適当と考えられる方法を講じなければならない。膀胱癌の放射線による治療法を見ると,現在ではX線としては超高電圧X線管が用いられ,或は放射性同位元素としてラヂウム,ラドンシードを初の各種の人工放射性同位元素の出現により極めて有利な条件で膀胱癌の放射線療法を施行出来る様になり,その治療成績は必ずしも外科的手術に優るとも劣らない成績が報告される様になりつゝあるのが現状である。そこで私は今日欧米に於て人工放射性同位元素が如何に膀胱癌の治療に応用されつゝあるかを概観し,併せて吾々の僅かではあるが治療経験について述べて見たい。
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