文献抄録
広範な部分切除腎への脾動脈直接移植
pp.1099
発行日 1970年12月20日
Published Date 1970/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201047
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腎部分切除術は今日普通に広く普及された手術術式であるが,必要に応じて広範な部分切除術が行なわれた場合には残存腎の血流障害が問題になるので,著者らは犬を用いて動脈移植の実施を試みた。
実験動物は26から50ポンドの成犬で,移植に用いた動脈は脾動脈で,動物は脾の摘出を行なつた。脾動脈は8ないし10cm遊離すれば腎への移植が可能であるが,動脈遊離に際しては動脈の外膜の損傷を極力避けねばならない。これは動脈周囲の繊維化から閉塞の原因となるからである。腎実質を通して脾動脈端を腎繊維被膜に縫合する。実質を貫通している脾動脈にはところどころに開口部をつくり,これより実質に的血流を与える。
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