Urological Letter
異例な尿路閉塞とその病理/経膀胱的尿管切石術
pp.928,961
発行日 1970年10月20日
Published Date 1970/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201016
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1.16歳の少女が繰り返す尿閉でカテーテリゼーションを求めて訪ねてきた,しらべてみると骨盤内に不明な腫瘤があることがわかつた。IVPを撮つてみると両腎とも水腎症になつていた。さらに膀胱内をみると,三角部が挙上され膀胱が歪んでいる。また確かに1つの腫瘤が触れる。そこで手術をしてみると,小骨盤内にはまりこんだ1つの大きな卵巣嚢腫であつた。これを摘出したあとは順調に回復した。
2.18歳の少年が尿閉で訪ねてきた。粘液性大腸炎の既往症がある。IVPで両側性水腎症がみつかつた。膀胱鏡検査に際して骨盤内から上方に延びている腫瘤が触れた。この腫瘤は膀胱後腔にあり膀胱を歪め,膀胱底部を頭の方向でかつ前方に押し上げていた。原因は糞便の大きな塊まりが溜つていたためであつた。その糞塊を除去してみるとすべての症状が除かれてしまつた。
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