Japanese
English
綜説
膀胱腫瘍の深部レ線治療
The Treatment of Carcinoma of the Bladder by Supervoltage X Rays
勝目 三千人
1
,
藤枝 順一郎
1
,
大室 博
1
Michito Katsume
1
,
Junichiro Fujieda
1
,
Hiroshi Ohmuro
1
1国立札幌病院・北海道がんセンター泌尿器科
1National Sapporo Hospital (Hokkaido Gann Center), Urological Department
pp.877-885
発行日 1970年10月20日
Published Date 1970/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201008
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はじめに
膀胱腫瘍に対する治療法は,大別すると外科的療法(経尿道的電気凝固・切除法,高位切開腫瘍切除・凝固法,膀胱壁部分切除術,単純性膀胱全摘除術,根治的膀胱全摘除術)と放射線療法(X線深部照射法,超高圧放射線療法,各種放射性同位元素を用いた腔内あるいは組織内照射法)および化学療法(全身的,腫瘍支配動脈内注入,膀胱内注入法)の3つの型に分かれるが,これらについて一定の決つた方針が確立している訳でなく,各症例に応じて上記の治療法が単独に,あるいはいろいろの組み合わせのもとに,各人各様に行なわれているのが現状である。しかし,でき得るならば,根治的膀胱全剔除術が望ましいが,理想的な尿路変更法や代用膀胱の完成されていない現段階では,術後のいろいろな障害が多く,期待された程の成績が得られていない。そこで新しく登場した超高圧X線や電子線発生装置などを用いた放射線療法と外科的療法との併用に大きな期待を寄せている人が多くなつてきている。事実,膀胱癌は中等度の放射線感受性をもつ腫瘍に属し,比較的低線量の外部照射(5000Rads/5〜6Wの程度の照射)により根治可能な症例もかなりあるといわれている。
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