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特集(増刊号の)2 腎不全
Ⅲ.慢性腎不全
慢性腎不全の食餌および日常生活指導
Leading of Diet and Everyday Life in Chronic Renal Failure
柵木 智男
1
Tomoo Maseki
1
1福島県立医科大学楠内科
1Department of Internal Medicine, Fukushima Medical College
pp.103-109
発行日 1969年12月25日
Published Date 1969/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200822
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はじめに
腎不全の概念,定義について諸学者間に若干見解の相異がみられるが,この論文においては腎不全を「腎機能が正常の約半分以下に低下し,腎の重要な作用である老廃物の排泄と体液の平衡調節に異常がみられる状態」になつた場合として考察をすすめたい。このような状態の慢性腎不全を著者らは,単に腎機能の低下をしめす潜在性腎不全に対し,臨床的顕性腎不全と呼称している1)。
慢性腎不全はBright病をはじめとして種々の腎疾患によつて発生し,その進行速度は必ずしも一様ではなく,基礎疾患の性格やその拡がりにかかわると考えられる。しかし症例によつては合併症や生活管理の不適切などが加わつて,その進行が促進される場合が少なくない。かかる可逆性因子が誘因となつて腎不全ないし尿毒症の発生する場合がおよそ15〜25%もあるといわれている2,3)。
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