Japanese
English
特集(増刊号の)2 腎不全
Ⅱ.急性腎不全
圧挫症候群性腎不全
Crush Syndrome
檀上 泰
1
,
宮川 清彦
1
,
越野 勇
1
,
田中 信義
1
,
佐藤 知義
1
,
福本 徹
2
Yasushi Danjyo
1
,
Kiyohiko Miyakawa
1
,
Isamu Koshino
1
,
Nobuyoshi Tanaka
1
,
Tomoyoshi Sato
1
,
Toru Fukumoto
2
1北海道大学医学部第一外科学教室
2札幌第一病院外科
11st Department of Surgery, Hokkaido University Faculty of Medicine
2Department of Surgery, Sapporo Daiichi Hospital
pp.39-45
発行日 1969年12月25日
Published Date 1969/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200813
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はじめに
近年,交通外傷の激増と産業災害の頻発,更に手術侵襲の拡大は乏尿無尿を惹起する急性腎不全の併発と尿毒症への進展のため死亡する症例も時折みられる昨今であり,その治療に難渋するのが第一線の診療に従事する医師の共通課題となつている。
従来,急性腎不全の死亡率は90%にもおよび,充分な治療対策が確立されていなかつたが,最近の透析療法の普及により,これらの致命的疾患に大きな光明を与えつつある。しかしながら,急性腎不全の治療が遅延したものでは,その救命率はなお50%内外であるのが現状である。したがつて,急性腎不全の発生機序とその予防的処置に対する基本的な認識が強調されるわけであるが,ここでは特にcrush injuriesによる体組織の挫滅という侵襲が体内に如何なる変動を起こし,急性腎不全という腎障害の誘因となるかを考察するとともに,その予防的処置と治療対策についても言及する。
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