Japanese
English
綜説
尿管疾患のレ線診断
Roentgenologic Diagnosis of Ureteral Diseases
黒田 恭一
1
Kyoichi Kuroda
1
1金沢大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, School of Medicine, Kanazawa University
pp.961-968
発行日 1969年12月20日
Published Date 1969/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200795
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まえがき
尿管疾患の診断は,尿路疾患中で最も困難である。その理由としては,1)尿管が解剖学的に腹壁より隔たつた後腹膜腔深部に存在し,走行が長く内腔が狭小な管状臓器であること,2)内視鏡検査が不可能なこと,3)生検法が至難なこと,4)上部尿路の系統的な異常ないし疾患が多く,臨床症状の面で腎疾患との共通点が多いこと,などがあげられる。
したがつてレ線検査法が不可欠の診断法となるが,レ線診断にも限界があり,少なくとも腎疾患に比して困難である。上部尿路の出血,疼痛,腎機能低下などにおける尿管の原因的役割の解明のさいに,種々のレ線検査法が駆使されるにもかかわらず,確診に至らない場合がしばしば経験される。
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