症例
膵疾患のレ線診断
敦本 五郎
1
1神戸市立医療センター中央市民病院放射線科
pp.1333-1337
発行日 1966年9月10日
Published Date 1966/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201480
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膵臓はレ線的にその形態を明確に把握しえないのもさることながら,隣接臓器の変化,ことに十二指腸下行脚の読影力の不足,小腸,大腸のレ線学的症候の見落しのために,手術の時期を逸し,根治療法の対象とならない症例も少なくないようである。なるほど,膵がんの診断はきわめて困難であるが,レ線像を精細に読むことによって,診断の適中率をあげうることが容易に考えられる。著者は膵がんの治療成績がきわめて悲観的であるのに鑑み,その対策として膵がんの早期発見に関する手掛りをレ線像の読影ならびに撮影法に重点を置き,経験を中心とした読影法を紹介し,参考に供したいと思う。
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