シンポジウム 前立腺癌の治療と予後・2
前立腺癌のAntiandrogenic therapyの意義とその施行方針の検討
熊本 悦明
1,2
,
岡田 清己
1
Yoshiaki Kumamoto
1,2
,
Kiyoki Okada
1
1東京大学医学部泌尿器科
2札幌医大
pp.525-528
発行日 1969年7月20日
Published Date 1969/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200708
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Ⅰ.はじめに
AmericaのThe Veterans Administration Co-ope-rative Urological Research Group(以下VACURGと略す)が多数の前立腺癌症例を対象にAntiandroge-nic therapyの効果を詳細に検討して,Antiandrogenictherapyは一概に良いとはいえないという意見を発表3,4)(1967年)して以来,Nobel賞(1966年)まで受賞しているCharles Hugginsのideaを再険討しようという空気が各方面に拡がりつつある。
彼等の主張する"投与Estrogenによる心血管系障害性死亡が増加するためEstrogenの前立腺癌発育抑制作用や延命効果が相殺され,時にはその副作用の悪影響の方が顕著になるという現象が,前立腺癌症例の9割にはおこる可能性がある3,4,7)"という意見の真実性は,我々の極めて関心のあるところである。
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