Urological Letter
臨床診断と病理診断と/腎盂弁による尿管起始部形成術
pp.16,65
発行日 1969年1月20日
Published Date 1969/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200596
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40才の患者が腎の平滑筋肉腫のために腎摘されてから6年後今日まで生存していたが,結局死亡した。最初に診察してからほぼ1年後,腎の病理学研究会が開かれた。その際この例も興味ある例として提示された。そのとき列席していた著名な病理学者の意見のあとで最後に下された病理学的診断は平滑筋肉腫ではなく,平滑筋腫であつた。
第2の例は前立腺癌のために治療し始めてから4年になる。最近くりかえす血尿のあとに膀胱鏡検査を行ない膀胱床に再び腫瘍が発生しており,前立腺部尿道にもいくらか浸潤していることが分つた。TURを行なつたが,このときの病理診断は膀胱移行上皮癌であつた。以前の組織標本を病理学者が見直して初めの診断は膀胱癌とすべきであつたことが分つた。最初のTURのときには腫瘍は前立腺部尿道内にあるように見えたので,前立腺癌の診断は正しいと思われたのであつた。
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