Japanese
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特集(増刊号の)1 尿路の外傷と損傷
Ⅳ膀胱の外傷および損傷
膀胱尿管逆流の発生と診断
Occurrence and Diagnosis of the Vesico-Ureteral Reflux
川井 博
1
Hiroshi KAWAI
1
1日本医科大学泌尿器科学教室
1Department of Urology, Nihon Medical School
pp.160-165
発行日 1968年12月25日
Published Date 1968/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200580
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はじめに
膀胱尿管逆流現象(以下VURと略)は膀胱内容が尿管ないし腎盂内に逆流する状態をいうわけであるが,この現象は既に1893年Pozziが手術時に損傷した尿管断端から膀胱尿の逆流することを報告した当時から知られていた。その後Voelcker,Lichtenberg(1906)あるいはBarley(1912)等によりX線学的に膀胱尿の逆流が確認されるようになつて一般にも注目されることになつた。以来この事象に対する研究は実験的にも臨床的にも多数報告されており,本邦においても既に20年前に堀尾により詳細な臨床研究が行なわれている。しかし最近再びこの問題が一般の関心をひくようになつたことは,VURが従来考えられていたよりも腎機能に与える影響,あるいは慢性腎盂腎炎の原因として重大な意義をもつことが明らかになつてきたためである。特に尿路損傷に伴つて見られる慢性尿路感染症の原因や持続にはVURの関係する所が大きいと考えられる。
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