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特集(増刊号の)1 尿路の外傷と損傷
Ⅲ尿管の外傷および損傷
尿管瘻の形成手術とその適応
Plastics for Ureteral Fistula and Its Indication
岡 直友
1
Naotomo Oka
1
1名古屋市立大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Nagoya City University Medical School
pp.104-110
発行日 1968年12月25日
Published Date 1968/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200572
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Ⅰ.尿管瘻の分類
尿管瘻はWinsbury-Whiteによれば,1)尿管腟瘻,2)尿管皮膚瘻,3)尿管—膀胱—腟(—直腸)瘻,4)尿管子宮瘻,5)尿管腸瘻に分類される。これらはあるいは先天的奇形として,あるいは外傷や後腹膜ないし骨盤腟の手術により,あるいは炎症性または癌性の浸潤・崩壊によつて起こる。先天的奇形としてみられる尿管瘻には更に尿管開口異常として女子外陰部に開口した尿管に由来するものがみられる。そのような奇形では,尿管の手術的分離(dissection)は容易であるが,術後性あるいは炎症性の尿管瘻になると尿管周囲の炎症性浸潤や瘢痕による異常な組織硬化や癒着をみるものが少なくなく,尿管の分離に難渋することもしばしばである。ことに炎症性の汚染や組織壊死が加わつているときは,形成手術に適切な健康部尿管を瘻孔の近接部では得られないことすらある。
複雑な尿瘻として,私は18歳の女子で,鵞卵大の腟結石による軟部の侵蝕のため尿管—膀胱—腟瘻をきたした例を経験したが,本例ではその側の腎に著明な発育不全があり,腎保存の意義を認めなかつたので腎尿管全摘出と膀胱壁の縫合を行なつた。また,腸閉塞に継発した尿管—小腸—腟—皮膚瘻をきたした32歳の女子に対して,外科の協力のもとに,創底を廓清して小腸の端々吻合と,尿管患部の切除ならびにその端々吻合を行なつた症例を経験している。
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