Japanese
English
特集(増刊号の)1 尿路の外傷と損傷
Ⅰ総論
外傷と腎機能
Injury and Renal Function
山村 秀夫
1
,
浅原 広澄
1
Hideo Yamamura
1
,
Hirozumi Asahara
1
1東京大学医学部麻酔科学教室
1Department of Anesthesiology, Fuculty of Medicine, University of Tokyo
pp.40-47
発行日 1968年12月25日
Published Date 1968/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200563
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
外傷や手術などの侵襲により急速に腎の排泄機能障害を起こす症候群がある。これ等は原因により,Crush syndrome, Traumatic uremia, Surgicaloliguria, Shock kidney, Hemoglobinuric nephro-sis, Toxic nephrosis, Burn nephritis等,様々な名称があり,病理学的にはLower-nephron ne-phrosisまたはAcute tubular necrosisが最も一般的な呼び方とされている。これらの疾患は原因によつて組織学的病変も多少異なるが,臨床的に共通の経過をとり,また診断,治療が同様に扱えることから臨床的な症候群として,急性腎不全(Acute renal failure)と呼ばれている1)2)。ただし,これを広い意味にとると,腎自体の疾患およびその他の原因による急性の腎不全が含まれる。
ここでは外傷後および術後急性腎不全の原因,腎機能の変化による臨床経過および診断を中心にのべ,最後に治療と予防について,簡単にふれる。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.