Japanese
English
綜説
ガスクロマトグラフィーの臨床
Clinical Application of Gas Chromatography.
山村 秀夫
1
,
若杉 文吉
1
,
大熊 佳晴
1
Hideo Yamamura
1
1東京大学麻酔学教室
1Dept. of Anesthesiology, Tokyo University.
pp.467-474
発行日 1961年7月15日
Published Date 1961/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201002
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I.まえがき
医学の領域ことに呼吸生理の研究におけるガス分析はこれまで主として化学的分析法すなわちHaldane分析器,Scholander分析器,Van Slyke-Neill検圧装置等が使用されてきた。これらの方法はいずれも化学的吸収剤による圧ならびに容積変化から測定する方法であつて分析可能なガスの種類には制限があり操作は複雑でかつ熟練を必要としている。これに対して近年エレクトロニックスの進歩から物理的ガス分析法が著しく発展しその精度と能率と機能から次第に古い化学的分析法におきかわらんとする傾向にある。物理的分析法の中で現在比較的使用されている方法を挙げてみると,熱伝導率を応用したKatharometer,赤外線吸収スペクトルを利用したInfra-red analyzer,放電管を用いたNitrogen meter,酸素の有する強い正磁性を応用したOxygen analy—zer等がある。これらは連続分析ができるという利点はあるが何れも多成分を同時に分析することはできない。この点質量分析計1)とこれから述べるガスクロマトグラフ(以下GCと略す)は現在もつとも適用範囲が広く少量の試料で複雑な成分のガスを迅速に分析でぎる点で共通の特徴をもつすぐれた分析器である。
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