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Ⅰ.まえがき
最近,腎盂腎炎の臨床的重要性に関連して,いわゆる細菌尿(bacteriuria)というものが注目されている。ここにいう細菌尿とは,単に鏡検によつて尿中に細菌が証明された尿という意味ではない。実際に活動性,あるいは,潜在的な活動性をもつ尿路の細菌感染が存在する場合のことである。従つて,たとえ,無症状でも,このような細菌尿が生じている場合は,尿路感染症を顕現させる危険が極めて高いことになる。しかも,この細菌尿は,糖尿病(Kass, 1960; Rengarts, 1960など),妊婦(Kaitzら,1960; Monsonら,1963など)などには,かなりの高率に認められていることが指摘されている。いずれにしろ,この細菌尿を放置すれば,これが原因となつて,重篤な腎盂腎炎,あるいは,腎機能不全とか,高血圧を誘発するに至ることが決して少なくない。細菌尿が重要視されてきているのもこのためである。
それなら,どの程度の細菌が証明されればここにいう細菌尿と考えてよいか,この点について以前はかなり大まかに解釈されていた。また,採取に際しての外部からの細菌汚染(contamination)との区別についても,その制定はあいまいなものであつた。しかし,尿路感染症の臨床像と定量的な尿中の細菌数との関係について幾つかの詳しい研究が行なわれ,最近では,ほぼ次のような解釈と基準が一般に承認されるに至つている。
Clinical and experimental evaluation for sensitivity and reliability of triphenyl tetrazolium chloride test (TTC-test), which is one of the methods to trace bacteriuria (urine containing more than 105 bac-teria per ml), was done.
50 cases with urinary infection were evaluated by this method and quantitative culture and the results were as follows; true negative 90%, false positive 10%, false negative 30% and true positive was 70%.
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