Japanese
English
--------------------
尿路感染症におけるTTCテスト(Urocheck)
TTC TEST IN URINARY INFECTION
蔡 衍欽
1
,
内山 記世之
1
,
小幡 浩司
1
Yean Chin TSAY
1
,
Kiyoshi UCHIYAMA
1
,
Koji OBATA
1
1名古屋第一赤十字病院泌尿器科
1Department of Urology, The Nagoya First Red Cross Hospital
pp.427-430
発行日 1966年4月1日
Published Date 1966/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204347
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
尿路感染症は我々泌尿器科医がしばしば遭遇する疾患で,近来我国では特に腎盂腎炎に対する認識が急激に高まつている。尿路結石症,尿路の通過障碍が二次的に尿路感染を併発し腎盂腎炎に迄進行することは我々が屡々経験する所である。尿路感染があつても無症状に経過することがあることはKassによつて述べられ,Jacksonは尿路感染の既往症のない患者の死体解剖にて多くの慢性腎盂腎炎が発見されたと報告している。解剖学的に女性の尿路感染率が高いことは周知の如くであり殊に妊婦糖尿病患者の感染率は高くこれを放置した場合腎盂腎炎に迄進行することがある。従つて細菌尿の診断は臨床上または疫学上極めて重要であることは言を待たない。
従来細菌尿の診断には尿沈渣染色あるいは定量培養が施行されていたが時間がかかり操作が煩雑である為最近熟練を必要とせず簡便で信頼出来る細菌尿の検出法が考案されて来た。1950年Wun—dtは活発に発育している菌は無色水溶性の2,3,5 Triphenyltetrazolium塩酸塩を赤色不溶性のTriphenyl formazanに還することを発見した。その後1957年Kass,1962年Simmons等はTTCテストを細菌尿の検出に応用し,本邦でも2,3の臨床成績が山本,斎藤,稲田等によつて報告されている。TTCテストは定量的に菌数105/mlを示針とし得る所から尿中菌数定量の簡便法として用いられている。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.