教室だより
神戸大学
友吉 唯夫
1
1神戸大学
pp.324
発行日 1968年4月20日
Published Date 1968/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200394
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国鉄神戸駅より北方六甲山系に向つて10分も歩くと,完成間近い神戸大学医学部付属病院の10階新館ビルが目に入る。旧兵庫県立神戸医科大学の国立移管は昭和42年4月1日をもつて完了,泌尿器科学講座も新らしい歴史の一歩を踏み出したわけである。昭和37年に皮膚科,泌尿器科が分離独立し,上月実教授が泌尿器科に専任され,昭和41年1月に石神襄次教授が後任として大阪医大より転ぜられ今日に至つている。さて毎月のこの欄で,筆者が読者として知りたいことは,忘年会やリクリエーションはどうやつているかといつたどの教室でも大差ないことでなく,各教室がどのような理念と方法をもつて泌尿器科学と取組んでおられるかということである。
臨床教室としては先ず背景にある地域社会の大きさが問題であろう。人口140万の神戸市を含め,北は日本海,南は淡路島に及ぶ450万人口の兵庫県に在る唯一の大学クリニックである上,県下に泌科独立の病院が極めて少ないので,広大な地域の住民の泌尿器科疾患と対決するという重責をもつて,教授,助教授,講師3(うち非常勤2),助手6,大学院生4,副手2からなる全スタッフが働らいている。教室は石神教授の卓越せる統率力と指導力の下によくまとまり,ひろく京阪神,四国の各大学出身者をもつて構成され,開放的な国際都市神戸にふさわしいコスモポリタン的雰囲気を呈している。
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