Urological Letter
恥骨後式前立腺剔除術後のカテーテル再挿入,他
南 武
pp.298
発行日 1968年4月20日
Published Date 1968/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200387
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著者は膀胱を開く必要のある疾患が同時に存在する場合を除いては,恥骨後式に前立腺剔除術を行なつている。小数例ではあるが,ある種の原因からバルーンカテーテルを再挿入することが必要な場合がある。尿道カテーテルの再挿入はカテーテルの先を手探りで膀胱頸部を通さねばならぬので,最も難かしい問題である。約1年前に手術当日の夜カテーテルが抜けてしまつた例が2例ある。2つともカテーテル自身の欠陥のためであつた。1人の患者には新しいカテーテルが容易に入つたが,他の患者では前立腺被膜を再び開いて直視下にカテーテルを膀胱内に入れ戻した。
上述のいやな経験から,恥骨後式剔除術に際しては剔除したあと尿道からバルーンカテーテルを入れ,その先が前立腺窩まで出てきたところで,カテーテルの先に#0クロミック腸腺を縫いつけ,腸腺のついた針を膀胱頸部を通して入れ,腹膜反転部の下で膀胱前壁から外に出す。そのあとカテーテルを膀胱内に進めてからバルーンを膨らませる。そして膀胱前壁から外に出しておいた腸腺のついた針を,更に正中切開線より少し左側で皮膚の上に出す。次いで少し離れたところの皮膚に絹糸で止めておいた短いゴム管に,前の長すぎる腸線を巻きつけておく。
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