Japanese
English
文献抄録
正常尿管位の尿管瘻術/尿管大腸吻合尿路変更の長期観察
Ureterostomy in situ
pp.273,291
発行日 1968年4月20日
Published Date 1968/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200382
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
上部尿瘻術は一時的に形成する際には腎瘻が広く行なわれている。in situの尿管瘻術に関する文献はほとんど見当らない。Campbellはその泌尿器科学にin situの尿管瘻術は簡単で容易な方法であるが,tubeの再交換ができないと記している。しかしプラスチックカテーテルはこの点を解決して呉れたので,著者は1956年以来多数の症例にこの方法を行なつて利用価値の高い方法と考えている。
手術手技は腸骨窩にて2本の小皮膚切開をかえ腹膜をこの切開創より中心側え圧排して尿管に達し,カテーテルをこの皮切から創の中心端下にて腎盂まで挿入し,カテーテルは皮膚に縫合する。カテーテルは尿管の拡張度に応じて適宜太さを加減する。著者はポリビニールクロライド製のカテーテルが尿管に与える影響が少ないので好んで用いている。この方法が腎瘻術より優れている点は,手術手技が極めて容易であるし,筋層障害,出血が極めて少ないことである。また腎瘻と違つて感染をおこすことも殆んどない。さらにカテーテルの位置も腎瘻より患者には楽な部位にある点などである。この手術の適応としては急性の感染性水腎症等で下部尿管の閉塞がある際には急救処置として最も良いと考える。あるいは尿管狭窄の形成術に先立つて尿管瘻をおいておくこともしばしば必要である。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.